銀座の裏路地

コワーキングスペースの私語厳禁の動きがすごい

2020年の4月から本格的に始まったテレワークだが、テレワークをやる場所を探す難民が溢れている。その難民は「コワーキングスペース」に集まっている。静寂の中仕事をしてきたフリーランスとテレワーク難民サラリーマンの間でのトラブルが絶えない。そんな中、私語厳禁のコワーキングスペースが出てきた。

テレワーク難民が溢れる日本では、企業の機密情報が毎日垂れ流しになっている

テレワークが基本となった2020年4月以降自宅で仕事をする在宅勤務者が激増した。中国から世界に蔓延した新型コロナウイルスのパンデミックによって、通勤電車に乗ることが感染拡大につながるということになり、在宅勤務を基本とする業務改革が行われてきた。

その一方で自宅で満足にテレワークができないサラリーマンが、コワーキングスペースになだれ込んできた。その数は尋常ではない。

場所柄なのか大手町、青山、神田にあるコワーキングスペースは、週末のスーパーのフードコート並みに混雑している。

フードコート並みの人の話し声が聞こえる中、企業名、個人名が飛び交うテレワークが盛んに行われている。

聞く人が聞けば話している内容は、企業の内部情報であってどの部署の話かはすぐにわかる。事実上毎日情報漏洩が行われている。

コワーキングスペースでのテレワークを狙ってフリーランスライターが常駐している

フリーランスのライターにとって、最高のネタ元になっているコワーキングスペース。

仕事を自宅でするから機密情報が漏れないだろうと思っていた企業にとっては、大きな盲点となっている。

企業のデスクを密にしないために、ある程度の人数を自宅で仕事をさせたいと思っている企業が多い。

部員が総勢120名いる有名商社のある部門は、テレワークが80%である。出勤するためには、上長の許可がいるのである。

ところが、自宅でテレワークができない環境にあるサラリーマンが多い。

マンションが古くてWi-Fiが遅い

マンションで光ファイバーが各部屋につながっていることが大事なんです。

「光ファイバーがないマンションはかなりの数あります。いわゆるメタル回線でテレワークを想定して設計されてませんから、ズームで会議をすると顔がうつらない、資料を提示できない等問題が起きているのです。マンションが古すぎて、テレワークができる環境にない人は引っ越しを検討しています。今、売却するなら不動産屋さんもWi-Fiのスピードまで気にしていませんからね」

なるほど。

ズームができる通信スピードを確保できないマンションの居住者は難民となるの。

かなり厳しい時代になった。

 

自宅に机がないサラリーマンが大多数

自宅のダイニングテーブルでテレワークをやっていたところ、ついにイエローカードからレッドカードにが出たサラリーマンは難民となるのである。

奥様にとって自宅は職場ではない。

テレワークをやり続ける旦那がいる限り、お昼にテレビをみることができない。テレワークをやっている間はどこにいればいいのか奥様たちにストレスが静かにたまり、爆発する。

「仕事は他でやって」となるがどこに行けばいいのか?

そこで、考えるのはカフェである。ベローチェなどテーブルにコンセントが完備されているカフェがテレワーク難民の避難所になった。

ところが、テレワーク難民はカフェでは業務が厳しいことがわかり始めた。同業他社の人間がいるからだ。

そこで、有料のコワーキングスペースに避難することになるのだが、ここにも同業他社がいる。

不動産会社に勤めるサラリーマンは、コワーキングスペースをフル活用する

投資物件を取り扱う不動産会社に勤務するサラリーマンは、コワーキングスペースをフル活用するのである。

理由は簡単である。

営業に行く。物件の交渉に向かう。
そして、交渉から戻る途中にコワーキングスペースがあれば、業務報告ができる。

しかも、コワーキングスペースで拠点が複数ありいつでもどこでも使える契約になっていれば、オフィスの数が全国に広がることになる。

好都合のコワーキングスペースに集まったサラリーマンは、徐々に増えてフリーランスのプログラマー、ライターとの間でいざこざが発生する。

静寂な作業環境からフードコート並みの喧騒が聞こえるオフィスに変わった

フリーのWebデザイナーでコワーキングスペースで仕事をしていたAさんは怒りを隠せない。

「居酒屋のようにいつも混んでいる。しかも、どんどん声がデカくなってくるからどうにもならない。運営会社に抗議しても対応はテレワークが長い人に注意する意外に何もしない」

Webデザイナー、ライターさん向けの私語厳禁のコワーキングスペースを探して引っ越しをした。

コワーキングスペースで格差はかなりある。

銀座のコワーキングスペースを運営している人に聞いてみた。

「テレワークをするのは自由です。他の会員様にご迷惑をかけないように規則はあります。クレームが来たら注意はするようにしています」

これが最も緩い対応のコワーキングスペースで、管理体制が甘いところは同じ企業のサラリーマンで溢れかえる。

そうするとフリーランスは撤退するだ。

一方、明確な区別をしているコワーキングスペースもある。

私語厳禁のスペースがあるコワーキングスペース

「3階から5階がコワーキングスペースなんですが、最上階は私語厳禁のスペースとしています。電話もサイレントモードにしてもらってます。電話をするときは、3階にある電話ブースに移動してもらいます。共有フロアーでも企業名、個人情報を含む会話を禁止しています。そのため、コンシェルジュが各フロアに常駐しているので、規則の違反者は退場してもらってます」

「企業のサテライトオフィスを経営しているわけではないので、テレワークは禁止しています。カフェフロアがありますので、そこでやる分には構いません。ただし、テレワークに漏れた情報は自己責任という規定があり、勝手に企業の情報を漏らすのも自由ですが、コンプライアンスに関しては、各企業が管理することではないのでしょうか?あくまでも、スタートアップで自分のアイディアを会社にするために頑張っている人が対象で、コワーキングスペースを経営してます。スタートアップの事業計画が優れているなら、会員の投資家がいますから出資を受けることもできますし、実際に起業して成功した人の体験談を聞くイベントも開催してます。サラリーマンのテレワークはお断りしています」

 

コワーキングスペースは誰のために作られたものなのか?

スタイルや時間にとらわれない仕事がしたい。

Web事業を展開するために、会社設立の準備でコワーキングスペースを利用したい。

企業を目的にコワーキングスペースを利用する人
Webデザイナーでコーディングをやりたい人
フリーランスのライターで、静かに原稿を書きたい人

本来は、そんな人たちのためにあったスペースも、今では「テレワーク難民」の避難所になっている。

コワーキングスペースのあり方に哲学を持って運営している企業とそうでないコワーキングスペース運営企業で大きな差があることも事実だ。

選ぶときに確認した方がいい。

コワーキングスペースの運営規則
コンシェルジュの滞在時間
セキュリティ体制
監視カメラの存在

いい加減なコワーキングスペースでは、会員の移動が激しいはずだ。

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